会社に関する法律、新会社法の概要について。
新会社法が施行され、従来の商法に比べて様々な点が変更されました。
その代表的な一部を以下にご紹介いたします。
- 資本金が1円からでも設立可能
- 従来は株式会社を設立する際、資本の充実といった観点から
最初に出資金として最低1000万円が必要でした。
また、有限会社を設立する場合でも最低300万円が必要でした。
これらが弊害となり、資本を用意できない個人事業者には
株式会社は敷居が高く、手が出せないという現状がありました。
新会社法では最低資本金制度が廃止され、
資本金1円から株式会社を設立することが可能となりました。
つまり、多くの個人事業者の方にも法人化への道が開かれ、
法人としてのメリットを享受できることになります。 - 有限会社の廃止
- 会社法施行により、有限会社と株式会社が一本化され、
新しく有限会社を新しく設立することが出来なくなりました。
したがって、現存する有限会社は名称が有限会社のままでも、
実質的に株式会社として扱われることになります。
ですが完全に株式会社と同じように扱われるのではなく、
有限会社としてのメリットはそのまま残された形となります。
たとえば、取締役などの役員の任期は従来どおり無期限、
株式会社に必要な、決算の広告義務などもありません。
また、有限会社の名称のままでも大丈夫ですので
株式会社へ変更する際に発生する様々なコストもかかりません。
反面、取締役会や会計参与、
会計監査人などは設置できないといった若干のデメリットがあります。 - 役員に関する自由化
- 今までは株式会社を設立する際、
取締役3人と監査役1人の計4人が最低必要でした。
よって名義を借りる為に、関係の無い人を役員にする事がよく見られました。
会社法改正により、役員に関する事項が大きく自由化され、
取締役1人からでも株式会社を設立することができるようになりました。
また「会計監査役」や「委員会」など、大会社にしか認められなかったのが
小規模な会社でも設置が可能となりました。
また、会計参与という機関が新設されました。
これは税理士や公認会計士が就任する機関です。
会計参与は取締役と共に決算書などを作成するアドバイザー的役割を果たし、
結果的に会社の信用の向上へつながります。
役員の変更点でもう一つ重要なのが、
取締役や監査役の任期を最長10年まで延長できるようになりました。
これで役員変更登記などの余計な手間が省かれることになります。 - 合同会社の新設
- 新会社法の大きな変更点としては会社の形態として、
「合同会社(LLC)」が新設された点です。
欧米では非常に普及している会社形態なのですが、
税制度の面で若干異なりますので日本版LLCと呼ばれています。
株式会社よりも更に自由度が高いのが特徴なのですが、
日本ではまだまだ知名度や信用度が低く、
今後どういった展開がなされていくかが期待されるところです。 - 資本金の払い込みが簡易化
- 従来は会社設立の際、資本金が払い込まれていることを証明するために、
銀行などに「資本金保管証明書」を発行してもらう必要がありました。
これは銀行にとって証明責任が生じる為に断られることもあり、
発行までに時間もかかると言う弊害がありました。
会社法改正により、会社を発起設立する際「払込保管証明書」の代わりに、
代表者が払い込みがあったことを証明する書面を作成し、
それに銀行通帳のコピーを添付することでよくなりました。
よって銀行に断られることも無く、迅速な払込処理が可能となりました。 - 商号に関する緩和
- 従来は「同じ市町村内で同じ事業目的で、同じような名称の会社」は
設立することができず、商号変更を余儀なくされておりました。
そのため、会社設立前には設立予定地の市町村での
商号調査という作業が必要でした。
新会社法の施行により
「同じ住所で同じ名称の会社」は設立できないと緩和されました。
したがって、マンション内や同じビル内で同じ名称の会社などが無い限り、
商号調査はそれほど重要ではなくなりました。
だからといってどんな名称でもよいというわけでもなく、
有名企業などの名称を使用する場合や、不正競争目的での商号の使用は
不正競争防止法によって規制されていますので注意が必要です。 - 現物出資が簡易化
- 資本金の出資は現金以外に現物出資でも可能です。
従来は現物出資を行う際、
検査役の調査や弁護士などの証明を受ける必要がありました。
今回から500万円以下の現物出資の場合は検査役の調査などが免除され、
取締役が出資された物の価格を調査し、
調査報告書を作成することでよいとされました。
ですが、実際の価格と違う場合などは
取締役に不足分を補填する義務が生じますので注意が必要です。
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